高校受験でよくみる倍率の意味とは?

昨日、行きたい高校の情報を調べていたら、
倍率が4.0倍だったんだ…。

わたしは1.12倍だった。
倍率が低いってことは、合格しやすいってことよね。

どうしよう。
倍率が低い高校に志望校変えたほうがいいのかな?

倍率が低いと合格しやすいかというと、単純にそういうことではないよ。
倍率を知るのは、合格の可能性を判断する上でとても大切だ。
今回は、この「倍率」について学んでみよう。

志望校選びをしていると気になるのが「倍率」
例えば東京都に住んでいる人なら、都教育委員会のホームページや新聞や情報誌などに「都立高校受験倍率」というものが掲載されている。
倍率が低いと合格しやすく高いと合格しにくいイメージがあるが、実はよくわかっていない人も多いのでは?
この「倍率」という言葉、実は様々な種類があり言葉によって意味が変わってくる難しい言葉なんだ!使い方をよく理解していないと間違った受け取り方をして状況を誤解してしまうこともある。
たかが倍率。されど倍率。
受験生として正しい倍率の意味を知り、数字に惑わされないようにしよう!

高校受験の倍率とは?

あまり難しく考える必要はない。倍率とは、

□人のうち、1人合格する。

という意味。この□に入る数字が倍率だよ。
たとえば倍率が5倍だとすると、「5人のうち、1人合格する。」ということだ。つまり、4人は不合格になる。これは厳しい倍率だね。では、2倍ならどうだろう?「2人のうち、1人合格する。」という意味になる。これは5倍に比べるとかなり合格しやすい状況だよね。単純に言うと、「倍率の数字が大きいほど合格するのが大変だ」ということだ。倍率の計算式は次のとおり。簡単に計算することができるよ。

受験する人の数 ÷ 募集定員 = 倍率

実際に計算してみよう!

問題1
募集定員が100名。受験する人が220人。倍率はどうなるかな?

答え
220÷100=2.2 2.2倍が正解だ。

倍率には応募倍率・受験倍率・実倍率の3種類がある

倍率、倍率と言ってきたけれど、実は倍率にはいろいろある。次の表を見ながら、その意味を考えていこう。東京都は都立高校の出願・受験・合格発表のそれぞれの段階で入試データを公表する。その中から都立高校の入試データをピックアップして並べてみた。

2月15日 最終応募状況

 募集人員最終応募人員最終応募倍率
1161971.70
1061871.76

2月23日 受験状況

 募集人員最終応募人員受験人員受験倍率
1161971881.62
1061871871.76

3月1日 合格発表

 募集人員最終応募人員受験人員合格人員実倍率
1161971881241.52
1061871871061.76

さて、この右端の倍率の欄を見てほしい。
男子の欄の数値が

1.70→1.62→1.52

と変化していっている。
同じ1つの高校なのに、なぜだかわかるかな?
しかもよく見ると倍率の名前も変わっているではないか。

最終応募倍率→受験倍率→実倍率

倍率の名前と数字が変わったのは、倍率計算式の分母と分子が変わったせいだ。

しかし、試験当日、9人の男子受験生が欠席した。
他の第一志望校に合格した人などは欠席することがあるので、欠席者が出るのは珍しいことではない。計算は最終応募人員よりも新しい数字である実際の受験者数「受験人員」を使うことになる。

そして合格が発表されると、合格した人の人数は募集人員より多かった。原因は辞退者が数名出るのを見込んで多めに合格を出したか、あるいは合格者の最下位が同点で数人並んだケースなどが考えられる。
計算は募集人員ではなく、確定した合格人員を使うことになる。

「大した違いはないじゃないか」
そう思った人もいるかもしれない。たしかに公立高校入試では大きく数字が動くことはあまりないが、私立高校の入試では最終応募倍率と実倍率がかけ離れているのはむしろ普通のことなんだ。

実際に計算してみよう!

問題2
これは難関校として有名な私立高校の入試データです。
表をもとに、応募倍率と実倍率を計算してみよう。

募集人員最終応募人員受験人員合格人員
45474465224

答え

倍率が全然違う!?

あまりの数字の違いにびっくりするよね。

原因は主に募集人員と合格人員の差が大きいことだ。
私立高校を受験する受験生はいくつもの学校を掛け持ち受験することが多く、合格しても入学しないケースがたくさんある。私立高校は毎年の様子からだいたい何割ぐらいの生徒が入学を辞退するかわかっているので、あらかじめ多めに合格者を出しておく。だから、こんなに違う数字になってしまうんだ。
せっかく倍率に注目するなら、「実倍率」を調べないと正しい感触は得られないよ。

1.0未満の倍率。その意味は?

都立高校などの最終応募倍率を見ると、たまに1.0よりも小さい数字の学校がある。

 募集人員最終応募人員最終応募倍率
1501651.10
1501350.90

応募(出願)者の数が募集人員より少ないと倍率が1.0未満になることがわかる。この高校の女子のように1.0倍かそれ未満だと絶対合格できるのだろうか?
実は、そうとは限らない。学校側には入学を認める最低のラインがあって、それを下回る人にはたとえ定員割れでも合格は出さないのだ。
他の受験生との競争がなくても自分との戦いは残るということだね。受験する高校が1.0倍以下でも、入学試験は一定の点数を取らないと合格できないので準備はきちんとしておこう。

倍率が低い方が合格しやすいのか?

たとえば倍率が次のように異なる3つの高校があったとする。

  • A高校 1.1倍
  • B高校 1.5倍
  • C高校 2.0倍

この中でいちばん合格しやすいのはどの高校だろうか?

1番倍率の低いA高校だと思います

この問題の正しい答えは「わからない」だ

なぜかというと、3つの高校に集まる受験生のレベルが不明だから。もしも【図1】のように、A,B,C高校がだいたい同じ偏差値なら、倍率が低い方が合格しやすいと言える。

だが、【図2】のように学力差があるとしたら、倍率に関係なくいちばん合格し易いのは偏差値の低いB高校だ。そして、1.1倍だが偏差値の高いA高校がいちばん合格しにくい。あたりまえだよね。

まとめるとこうなる。合格の可能性を考える時、いちばん重要なのはキミがその学校の受験生たちと勝負できる力を持っているかどうかだ。そして、実力に見合う高校を受験するとき、倍率が意味を持ってくるんだ。

【図3】自分のポジションと倍率の関係

よって倍率をみる時は同じ高校を受ける受験生の中で自分のだいたいのポジション(順位)と入試の倍率の両方を確認して、どのくらい合格の可能性があるか判断するようにしよう。
仮に、キミがXのような成績上位にいるとすると、1.1倍ならまず不合格の心配はない。2.0倍だとしても合格する可能性の方が高いと言える。
でも、受験生のうしろの方Zの位置にいるとしよう。その場合1.1倍なら安心はできないものの合格できる可能性が五分五分よりはありそうだ。だが、1.5倍だとボーダーより下になり合格の可能性は50%以下だ。2.0倍だとよほど運がよくないと合格は難しい。
真ん中のYの位置にいた場合、1.5倍なら合格の可能性が高く、2.0倍にも努力次第で手がとどく場所にいると言える。

このように、実力に見合う受験校での合格の可能性を判断するのに倍率は必要なんだ。

志願先変更と倍率

公立高校入試には「志願先変更」というルールを設けている都道府県が多い。
1都3県では、千葉の前期を除いて、希望する人は一度だけ受験校を変えることができる。
そのときに1つの判断材料となるのが最終応募倍率だ。実力にてらしあわせた考え方で、出願した学校をそのまま受験するか、それとも別な学校に変えるかを判断することになる。

この判断は意外に難しい。というのは、みんながキミと同じ最終応募倍率を見て動くから。たとえばこんなことが起こる。

D高校 1.30倍
E高校 1.08倍

この2つの高校はだいたい同じレベルで、キミは迷った末D高校に出願していた。だが倍率を見ると大きな差がついている。そこでE高校に志願先変更をした。
当然の行動だよね。ところが、志願先変更後の確定応募倍率を見ると……

D高校 1.30倍→1.15倍
E高校 1.08倍→1.25倍

なんと、E高校の方が倍率が高くなってしまった!
何人かの人がキミと同じ考えでD高校からE高校に移ったためだ。
もし、最終応募倍率をみて志願先変更を検討するときは、1人で決めるのではなく自分の学力を知っている受験経験の豊富な学校の先生や塾の先生に相談するのが良いだろう。

志望校を考えるときに気になる倍率だけど、倍率だけで判断せず、自分の実力と今後の頑張りを加味したうえで、志望校を考える必要があるよ。

少しぐらい倍率が高くても、「そんなの関係ない、大丈夫」と思える力と自信をつけられるのが一番です。すぐに学力に自信をつけるのは無理だけど、効率的な学習と定期的な模試の成果の積み重ねで自信をつけていくことができるよ。
栄光ゼミナールなら、地域の公立高校入試を知り尽くした「高校受験のプロ」の先生がたくさんいます。生徒たちの学力向上を一番に考え、共通問題や学校作成問題の傾向と対策、地域の受験情報の提供、志望校で結果を出すための受験までの勉強スケジュールなど、受験生1人ひとりをすべての面で責任をもって支えていきます。倍率の高さに揺るがない学習で志望校合格を目指します。公立高校受験なら栄光ゼミナールへ!

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