【プロが教える中学受験】算数の勉強法

更新日:2024/04/17

中学受験で一番重要といわれている算数ですが、苦手なお子さまも多い教科です。今回は、栄光ゼミナールの中学受験のプロに算数の勉強法を聞きました。算数をどう勉強させたらいいのか悩んでいる保護者の方必見です!

目次

算数が苦手なお子さまの特徴

算数が苦手なお子さまの特徴は、ずばり「親が教えすぎた」子です。
算数が苦手なお子さまは初めてお預かりした授業で「答えを間違えるのを恐れている」子が多いです。小さいころに保護者の方と算数の問題を解いて、正解して褒められるよりも、間違えて怒られる体験が多く、「間違える=怒られる」と思い、算数の問題を解くのが怖くなってしまっているのです。そういったお子さまは自分の答えがあっているか自信が無いと答えを書こうとしなかったり、隠したりする様子が見受けられます。

お心当たりがある方も多いのではないでしょうか?

保護者の方が教えるとご自身のお子さまなので、どうしても厳しい目で間違いばかりを指摘してしまい、無意識のうちにお子さまの中に苦手意識ができてしまうことがあります。そのため、算数が苦手なお子さまには、親が直接指導をすることはやめ、すべて塾に任せてしまうのがお勧めです。
栄光ゼミナールでは「間違える=怒られる」という意識がなくなるように、褒めて伸ばす指導を心がけています。生徒1人ひとりの良いところを見て、答えが間違っていても解き方の過程など良いところを褒めていくことで、問題を解くことへの恐怖感をなくしていきます。栄光ゼミナールの授業は、生徒が「学ぶこと、考えることが楽しい」と思えるような教育指導を心がけています。

小学校で習う算数と中学受験で出題される算数の違い

小学校で習う算数の知識だけでは、中学受験には太刀打ちできません。そのために塾では、中学受験用の算数を教えているのですが、その違いは「知識の深さ」にあります。
よく勘違いをされる方がいらっしゃいますが、中学受験の算数に「先取り学習」は役に立ちません。小学6年生で中学校の数学で学習する因数分解ができたとしても受験算数で役には立ちません。
中学受験では複雑な方程式は利用しない代わりに、計算力と解法パターンの引き出しの多さが重要となります。そのため、様々な条件設定の問題を経験し、その経験をいかに本番で生かせるかが合否を分けることになるのです。

中学受験の算数を乗り切るために必要な力

中学受験では「計算力」を高めることが必須だというのはわかっていただけたと思います。しかしながら近年の中学入試問題には、「思考力」や「表現力」を求める問題も以前よりも目立つようにもなってきました。これは、2020年の大学入試改革によって共通テストなどで思考力や表現力を求めるようになったためです。では計算力・思考力・表現力はどのように伸ばしていけばいいのでしょうか?

計算力を伸ばす勉強法

計算力を伸ばすには、計算問題を毎日の習慣にすることです。
栄光ゼミナールには『計算日記』という教材があり、1日5~6問(1日1ページ)という少量の問題を毎日解くことが宿題になっています。ですが、この少量の問題ですら、小学生には毎日やるのは大変に感じるのです。計算練習は毎日数問でも、面倒くさがる子はためてしまいます。しかし、計算力は一気にたくさんの計算練習をしても身につくものではありません。

そこで、お勧めしているのは、『朝食を食べたら計算日記を解く』、『お風呂に入ったら計算日記を解く』など日常の習慣とセットで行うこと。この習慣づけは、塾やお子さまだけの力ではうまくいかず、保護者の方の力添えが必要です。朝食を食べ終わったら「計算日記やった?」と声をかけていただくことで、習慣は確実に作られていきます。この習慣が計算力の養成に繋がりますので、保護者の皆さまには頑張っていただきたいです。

思考力を伸ばす勉強法

思考力とは、言い換えると「考える力」のことですが、中学受験における「考える力」とは、「1つの問題をいろんな方向から考えられる」ということです。
中学受験で出題される中で合否に影響する問題は、どこの塾でも学習する典型的な問題が多くを占めます。難問に立ち向かう「思考力」を育むには、これらの「典型問題」を繰り返し解くことで「解法の引き出し」をたくさん蓄え、「どの引き出しを活用するか」ということを試行錯誤しながら数多く経験させることが大切です。

栄光ゼミナールでは『中学受験新演習』という主教材を中心に、中学受験に必要な知識を何度も反復しながら進んでいきます。授業では、そこで出てくる問題をさまざまな角度から解説し、生徒に何度も解いてもらうように指導しています。
ご家庭で勉強する際は、あれこれと別の問題集に手を出すのではなく、『中学受験新演習』を繰り返し解き直すことをお勧めしています。一度習った問題を反復練習することで、先生の解説を思い出すことができるため、「解法の引き出し」の活用方法を定着させて、入試本番でも通用する思考力を身につけることができるのです。

表現力を伸ばす勉強法

算数の入試問題においての表現力とは、式や途中の考え方の記述です。
首都圏の私国立中学校の約60%が、量の多少の差はありますが途中式を要求しています。答えだけでなく、どんな考え方をしたのかを見るためです。途中式の記述に関しては、正解に至らなくとも部分点を稼ぐことができるので、受験生側にもメリットがあります。対策としては、普段の学習でテキストの中に乱暴に書き殴って解くのではなく、ノートにきちんと途中式を書くように心がけることが大切です。その上で、6年生の入試対策の時期が来た段階で、過去の入試問題を用いて学校ごとの答案形態に合わせた練習をすれば良いのです。

また、近年の新傾向として「理由を説明する」問題も話題となっています。たとえば、等差数列の和が「(はじめの数+最後の数)×個数÷2」で求まることを式や文章を用いて説明します。当たり前のように使っている公式も、いざ説明となると意外とできないものです。新しい単元を学習する際に、単なる公式の暗記でなく「なぜそのようになるのか」という仕組みを理解していくことが大切です。
表現力を高めるには、いきなり書かせるよりも普段から授業の様子などを話題に親子で会話することが効果的です。そして、6年の復習期に入った際に、様々な公式や考え方を自分なりにノートに整理し直すことで万全を期して臨むことができます。

苦手な人が多い算数の単元ベスト3「図形」「割合と比」「場合の数」の勉強法!

算数の中でも苦手な人が多い単元が「図形」「割合と比」「場合の数」の3つ。この単元をマスターする勉強法はどんなものでしょうか?

図形の勉強法

図形の問題はセンスやひらめきが必要だということを耳にすることがありますが、単にセンスの良し悪しではなく、他の分野と同様に「体験数」の差が大きいです。どのくらい問題を体験をしているかによって差が出ると思っていいでしょう。あえてセンスの差というのであれば、体験を通じて学習した補助線の引き方などをタイムリーに活用できるかどうかです。

平面・立体問わず、図形の問題を得意にする第一歩は問題をかき写すことです。図形の問題は様々な図形の性質をしっかりと理解した上で取り組むことが大切です。図形を写しながら「4辺の長さが等しいから、この四角形はひし形だ。ということは対角線が垂直に交わるからここは直角だ!」など気づきや発見があるのです。苦手な子は、これらの気づきがないまま闇雲に問題を解いていることがほとんどです。また、写す際は「フリーハンド」で描くことがポイント。ほとんどの中学入試では作図の際に器具を使わせる場面はありませんので、ふだんから手早くかく練習を積むことが大切です。特に力を入れて練習する必要があるのは、平面図形なら「図形の移動」「面積と辺の比」、立体図形なら「水量・水位の変化」「立体の切断」です。テキストに出ている典型問題を繰り返し解き直すことで、解法の引き出しをたくさん作りましょう。

割合と比の勉強法

算数は3つの事柄の関係を考える場面が多くあります。それらは、かけ算やわり算で成り立っていることがほとんどです。例えば食塩水の濃さを求める時は、「食塩の重さ÷食塩水の重さ=濃さ」。また、食塩の重さを求める時は、「食塩水の重さ×濃さ」このように、2つのことがらがわかっていれば、残りの1つを求めることができます。公式を3つ覚えようとせず、基本公式を1つ覚えておけばいいのです。(「速さ」の単元では「道のり÷時間=速さ」ですね。)まずは、中学入試で頻出分野の「食塩水の濃さ」を繰り返し練習しましょう。基本公式の他に、「面積図」や「てんびん図」などの解法の道具も用いることができるように。また、比を扱う文章題では、相当算や倍数算を中心に「2種類以上の異なることがらの比をそろえる」という作業を練習しましょう。比をそろえる作業は、図形分野なども含めて算数全般で必要となる考え方です。

多くのお子さまがもっとも苦手とする「売買損益」の問題は、仕入れ値(原価)、定価、売り値、利益(もうけ)など、普段の生活において小学生になじみが薄い言葉を覚えるだけでなく、それらの関係をしっかり理解しておく必要があります。また、「等しい量」に注目した「逆比」を利用する場面も頻出です。決まった量の仕事をするとき、1人あたりの仕事量の比とかかる時間の比は逆比になります。(速さの単元では、道のりが一定であれば、速さの比とかかる時間の比が逆比になります。) 逆比を理解して活用できるようになれば解ける問題の範囲がグンと広がります。

場合の数の勉強法

栄光ゼミナールでは、4年生で初めて場合の数を学ぶときに必ず「丁寧にかき出す」作業をさせて、毎回その手間を惜しまないように指導します。5年生になってから順列や組み合わせの公式も学習しますが、入試で問われる力は丁寧に書き出す作業が力の差となることがほとんどです。「樹形図」や「表」をしっかりと用いて繰り返し練習しましょう。「ならべ方(順列)」の単元では、「0を含むカードの問題」や「複数枚ある数字のカードの問題」を答えが合うまで繰り返し練習しましょう。

樹形図でかき出して解く問題、計算を用いて解く問題など、解法が場面によって異なることも苦手になる理由の1つです。全てかき出すことで答えは出ますが、テストなど時間が限られている中で解ききるためには、ある程度の見極めができるようにすることも大切です。原則、「同じ物がない場合(並べるカードの数が1枚ずつバラバラなど)は計算を用いることができる」と判断して良いでしょう。「選び方(組み合わせ)」の単元では少ない方のことがらに注目することがポイントです。例えば「8個から6個選ぶ」という場面では「選ばれない2個を考える」ことでかき出しの場面でもグンと楽になります。

家庭で算数を勉強するには、どんなことをすればいい?

昔と違い、今は共働き家庭が多い時代。保護者の方が付きっ切りで勉強を見るのは難しいでしょう。小4のうちはまだ問題の受け答えも短時間でできますが、小5以降の学習は内容も深くなって、保護者の方が1つひとつをお仕事や家事の合間にみるのは難しいのが一般的です。自分で解ける問題は家で勉強し、わからない問題は塾で質問する。そういった学習の姿勢を早期に作ることが理想です。
そのため、栄光ゼミナールでは授業以外の自己学習も塾の自習室(i-cot)を利用して勉強することをお勧めしています。わからない問題があった場合はすぐに質問できますし、1人で家にいるよりも保護者の方も安心していただけます。

では、ご家庭では何をしたらいいのか?
それは、お子さまの学習スタイルを作ること。小学生のお子さまは、最初は自分の力でスケジュールの管理ができない子がほとんどです。どうにかしてサボろうとする子、好きな科目だけを永遠と解いている子など、お子さまにより様々タイプはありますが、保護者の方が「この曜日の時間は算数」「この曜日は習い事があるから計算と漢字だけ」など週単位のスケジュールを作り、その時間になったら声がけをする、仕事などで難しい場合は就寝前に1日の振り返りをお子さまと一緒にする。これを毎日積み重ねていき、勉強するのが当たり前の状態を作ることができれば、中学受験の大きな武器になります。学習の習慣づけは低学年のうちからがポイントです。

中学受験にお勧めの問題集・参考書

ご家庭で算数を教えるときに、保護者間の口コミなどで役に立つ問題集の話題が増えると思います。
しかし、問題集を増やしてしまうと、解ける問題もすべてやり直さなければいけなくなり、結果的に解けない問題に費やす時間を減らすことになります。たくさんの問題集に手を出すよりも算数の問題集を1冊に絞り、その問題集で解けない問題がなくなるくらい何度も繰り返すことが必要です。

何度も繰り返して問題を解くには、栄光ゼミナールの『中学受験新演習』や『実力アップ問題集』がおすすめです。『中学受験新演習』は同じ分野を複数回学びながら少しずつレベルアップしていくため、記憶に残るように勉強が進んでいきます。例題も中学受験で頻出される問題を取り入れているため、何度も繰り返すことで、入試本番で合否を左右する問題をきちんと解けるようなお子さまを育てます。
新しい問題集を買おうとされている保護者の方は、ぜひ一度お子さまの塾のテキストを確認いただき、使い倒すことを考えてみてください。もし、塾のテキストにお子さまがついていけない場合は、塾自体を見直す時だと考えましょう。

算数は、家庭で教えるのが最も難しい教科

中学受験で算数はとても重要な教科です。しかし、ご家庭で教えるには一番難しい教科でもあります。成績が上がらない。お子さまが算数で苦しんでいる。そんな方はぜひ一度、お近くの栄光ゼミナールの体験授業をお勧めします。
算数の成績が上がらないお子さまの中には「相談相手が欲しい」子が、多くいらっしゃいます。塾でたくさん授業を受けているけれど、わからないことを言い出せない。怒られるのが怖いと思っており、手が止まってしまうのです。しかし栄光ゼミナールの講師は、手が止まっているときはもちろん、すらすらと解いているときも声をかけ「褒める」指導を行うことで、「解けない=怒られる」という思考を抜け出し、「解けない=聞いてみる」という思考に変わり、「次もやってみよう」と気持ちに変化が表れます。
栄光ゼミナールの授業は生徒が楽しく受けられるよう工夫しています。そのため、体験学習のはじめに緊張していた子が授業の終わりには笑顔で帰ってくださいます。相談相手を見つけたお子さまは、自然と成績を伸ばすことができます。算数で伸び悩んでいる受験生の親御さまは、ぜひ一度栄光の学習を体験してみてください。

栄光の中学受験対策では最新の受験情報をもとに、進路指導を行ったうえで目標達成に必要な学習プランを作成し、勉強の進め方、志望校対策まで、講師が生徒1人ひとりに寄り添って指導します。少人数で発言や質問がしやすく、仲間と切磋琢磨しながら成長できるグループ指導と、先生の隣でわからないところや苦手を中心に、自分のペースで学習を進められる個別指導があります。お子さまに合った指導形態で合格に向かって学習を進めることができます。

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