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2017.09.06 更新 2020年大学入試改革 何が変わるの?センター試験 コラム

昨今、テレビ等で「センター試験が変わる!」というニュースが流れるようになりました。とくにクローズアップされるのは「記述問題が出題される」「英語の試験が4技能型になる」という二点です。では、「いつから」「何が」「どう変わる」のでしょうか。Z会グループ・基盤学力総合研究所の主任研究員・瀬戸裕一郎が解説します。

いまの何年生からセンター試験が変わるのか?

文部科学省の発表した「高大接続改革実行プラン」「高大接続システム改革会議最終報告」で示されている新テストへの移行時期は、平成32年度(2020年)からとなっています。

現在が平成29年(2017年)ですので、3年後の高校3年生=いまの中学3年生から、センター試験に変わる「大学入学共通テスト」を受験することになります。

この新テストを大学への入学を希望する生徒が必ず受験しなくてはならないのかというと、この点については現段階では何とも言えません。とくに私立大学については、現在でもセンター試験を受験することなく入学できる入試制度が用意されています。どの程度の規模での実施になるのかについては、今後の動向を注視する必要があるといえるでしょう。ただし、現在のセンター試験と同等の規模になることはまず間違いないでしょうから、どのような出題内容が予定されているのかを理解し、早期に対策しておくことは必要になります。

重要なのは「記述式」かどうかではない!

一連のセンター試験に関する報道を見ていると、「記述式の問題が出題される」という点がかなりクローズアップされている印象を受けます。確かに、これまではすべてマーク式(選択式)であったセンター試験に記述問題が出題されるというのは、「答えを選べばいい=楽勝!」とイメージしていた人にとっては気の重い話でしょう。しかし、「記述式の問題が出題される」という以前に、皆さんに押さえてもらいたい重要なポイントがあります。それは、出題の切り口が「思考力」「判断力」「表現力」を重視したものに変わる、ということです。

思考力・判断力・表現力

今年(平成29年)5月16日に、文部科学省は「『大学入学共通テスト(仮称)』実施方針(案)」を発表しました。これを受けて、新テストを作問する大学入試センターからは、具体的な「国語」「数学」の記述式問題のモデル問題を発表しています。ここで注目してもらいたいのは、「国語」「数学」それぞれの科目の出題方針を示す以下の記述です。

下線を引いた部分は、どのようなことを表しているのでしょうか?

[国語] 多様な文章や図表などをもとに、複数の情報を統合し構造化して考えをまとめたり......
[数学] 図表やグラフ・文章などを用いて考えたことを数式などで表したり......

たとえば、これまでにセンター試験で出題されてきた「国語」の問題をイメージしてみましょう。問題は4問。1番が論説文で2番が小説、3番が古文で4番が漢文......そしてそれぞれの問題は、与えられた問題文を読んで、そこに書かれたことから解答を選べばよい。そのようなイメージですね。

ところが、「大学入学共通テスト」のモデル問題で示されているのは、「与えられた単一の文章から読み取ったことをもとに解答を選択する」タイプの出題とはかなり異なります。

これまで「問題文」と言われていた部分で用意されているのは、2つの資料(地図とガイドライン)、そして会話文です。これらをもとにして、解答を記述することが求められています。

このような問題で必要となる力は、難解な1つの問題文を読み解く力ではありません。複数の資料や文章を対照し、総合的に考える力なのです。記述式の問題が出題されるという点は、確かに大きく変わる点かもしれませんが、解答を記述する以前に、これまでのテストとは考える内容が異なる、という点が最も重要なのです。

この点は、選択式問題についても同様です。大学入試センターは7月13日に、マークシート式問題のモデル問題例を発表しました。ここで公表された「国語」の問題も、「短歌と現代文の融合文」が2本と、会話文をもとに解答を考えるものです。「数学」についても複数の表・グラフと会話文をもとに、批判的に考察する力が問われています。

「大学入学共通テスト」で出題される問題。
まとめると、次のようになるでしょう。
「大学入学共通テスト」で出題される問題

「英語の4技能評価」

次に、「記述式」とともにクローズアップされることが多い「英語の4技能評価」について解説しておきます。まず、「4技能」とはどのような技能なのか、おわかりでしょうか。

4技能
読む (Reading)」 「聞く (Listening)」 「書く (Writing)」 「話す (Speaking)

となります。ここで、いま行われているセンター試験の英語や、学校で行われる模擬試験を思い浮かべてみてください。上の「4技能」のうち、ペーパーテストでは測ることができない力がありますね。

国際競争の進展の中、これからの世の中を生きる大学入学者に求められる英語力は、「英語を実用的に使いこなせる力」です。しかし、これまでのセンター試験では、「書く(Writing)」「話す(Speaking)」力について直接的に測定することはできませんでした。

このような総合的な英語の技能を測定する試験は、主に英語の検定・認定試験で実施されてきました。すでにノウハウを持っている実施団体がある、ということですね。そのため、「大学入学共通テスト」では、大学入試センターが独自の作問を行うのではなく、こういった検定・認定試験を大学入試センターが認定し、その受験結果と段階別の成績表示(※1CEFR)を出願する大学に提供する方向で議論されてきました。

ただし、英語については実質、共通テストがなくなるということになるわけですので、これまでの試験のありかたが大きく変わります。このため、

平成35年までは英語の共通テストを継続して実施する 大学側で「共通テスト」「検定・認定試験」のいずれか、または双方を選択して選抜に利用することができる

という案での実施がまとまっています。
これをふまえて、大学入試で重要になるポイントをまとめておきます。

各大学が「共通テスト」「検定・認定試験」のどちらを選択するか

新しい大学入試が近づくにつれて、大学が「共通テスト」「検定・認定試験」のどちらを入試要件として選択するかがわかってくるはずです。行きたい大学がはっきりしている人は、その大学がどのテストを入試評価として採択するのか、早めに情報収集を行うことが必要になります。

「検定・認定試験」は、受験しておいて損はない

「検定・認定試験」については、高校3年生の段階で、年2回まで受験した結果が入試の出願に利用できる、という方向で現在調整が進んでいます(今後の議論により変更される可能性もあります)。ただし、高校3年生になってから受験するのではなく、余裕があればそれ以前に複数の「検定・認定試験」を受験しておくのが望ましいでしょう。「検定・認定試験」には、試験ごとに出題の特徴があります。可能であれば、自分に最も相性の良い「検定・認定試験」を選択できるようにしておくのが良いでしょう。

新しい大学入試はすでにはじまっている!

これまで、センター試験がどう変わるのかについて解説してきましたが、実は個別試験についてはすでに教科によらない多様な入試選抜が積極的に実施されています。ここでは、各大学の特色ある入試の例と、最近の動向を挙げておきましょう。

大学名 入試(科目)名 最近の動向
東京大学 推薦入試 平成28年度入試より、全学部にて導入
京都大学 特色入試 平成29年度入試より募集人員を36名増に
大阪大学 世界適塾入試 出願要件を緩和し、定員を拡大予定
東北大学 AO入試 数年かけてAO入試の規模を全定員の30%に
お茶の水女子大学 新フンボルト入試 図書館入試・実験室入試で入学者を選抜
平成29年度入試より、すべての学部学科において
上智大学 ※2TEAP利用入試 TEAPの4技能スコアを利用
国際基督教大学 科目「総合教養」 人文・社会・自然科学を統合した学力を判断
追手門学院大学 アサーティブ入試 事前プログラム後、グループディスカッション・適性検査・面接で学生を選抜

ここで押さえておきたいことは、英語・国語・数学といったいわゆる教科型の入試ではなく、各大学の個別試験では総合的な力が求められるようになってきている、という点です。このような入試は、今後も拡大していくと考えられ、とくに国立大学の2次試験では、数年後に定員の30%をAO・推薦入試にすることが目指されています。逆に言えば、これまでの教科型入試の定員は、今後さらに縮小していくことになるのです。

大学入試改革に向けた対策は早めに
スタートさせよう!

これから変化する大学入試について、これまで解説をしてきました。「変化」というと、何だか気が重いことかもしれません。しかし、入試が多様化するということは、自分の長所に応じた入試選抜方法を選択できる、ともいえるのです。早めの対策は、お子さまの長所を伸ばすことにもつながります。栄光ゼミナールでは、いち早く新入試に対応した指導を行い、お子さまの長所を伸ばす指導を行っています。

英語4技能対策

小学生 「小学英語」

従来の英語教育とは違い、日本人教師が発音や文法など英語のルールを指導。学んだ英語をネイティブ教師(外国人教師)で実践する授業を行います。

高校生 「4技能試験対策講座」

コミュニケーションに特化したネイティブ講師のズ行と試験対策に特化した日本人講師の授業で、英語4技能をバランスよく身につけます。

思考力・判断力・表現力対策

中学生 「中学生みらいデザインコース」

2020年の入試改革で必要な「思考力」「判断力」「表現力」を身につけるアウトプット型の講座。21世紀型能力の開発で、将来の生きる力を身につけます。

プログラミング実践

小学生 「Primaryコース」

レゴ®エデュケーションWeDo2.0™を用いたコースです。授業中に出されるミッションをクリアするための、センサーやギアなどの役割・原理を学習します。

小学生 「Secondaryコース」

教育版レゴ®マインドストーム®EV3を用いたコースです。 「ものを投げる・掴むとは?」「タイヤを使わず動くロボットはどうすれば作れるか?」など、出されたミッションに対し自分で仮説検証を繰り返し、「論理的思考力」「創造力」を身につけます。

瀬戸 裕一郎
基盤学力総合研究所 主任研究員 瀬戸 裕一郎

増進会出版社(現Z会)入社後、約8年間にわたり国語・小論文科の教材コンテンツ開発に従事。その後、高等教育機関の支援事業などを経て、現職。主に21世紀型能力の育成方法と評価を研究。「協調学習のプロセスを取り入れた複眼的・多角的思考を促すコンテンツ開発と評価」(2017年3月・大学教育研究フォーラム 於:京都大学)など、研究発表及び講演多数。

注:
※1 CEFR......外国語の学習・教授・評価のためのヨーロッパ共通参照枠。言語能力を習熟度に応じてA1・A2・B1・B2・C1・C2の6段階に分け、それぞれのレベルでできること(Can-Do)が示されている。「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」では、各検定・認定試験をCEFRのレベルに換算し、各大学の合格基準を満たしているかどうかの判定に用いることが予定されている。

※2 TEAP......上智大学と日本英語検定協会が共同開発した「アカデミック英語能力判定試験」。