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格差や二極化といった日本の社会や大学のあり方が、今後10年でより加速するとしたら、中高時代にどのような教育を受けさせるべきなのでしょうか。
まず大学受験をクリアできる高い学力ということは言うまでもありません。推薦入試が入学者の4割を占めるといっても、残りの6割は学科試験で合格しているのです。私立大学においてもセンター試験を利用した入試を行うところが増えてきており、どの科目でもあるレベルの学力に達していること、「全教科型」の学力が必要になっています。「センター試験は高1から高2までの教科書が主な出題範囲です。日頃から予習や復習をして授業中に消化しておくことが必要です。その上に配点ウエートの大きい2次試験に備えたいですね。難関大学2次試験の論述問題は知識を頭の中にいっぱい入れただけではだめで、それを自分で組み立てる力が必要です。成功している受験生を見ていると、中3や高1の頃に、現代国語の力を伸ばしています。これは国語という特定の教科を指すのではなく、文章を読み、物事を理解するという面で、数学や社会科の力も総合した学力です。しかし、今の子ども達はなかなか本を読みませんから、読解力や表現力をどう身に付けていくかが中学・高校時代の課題となるでしょう」(亀井氏) |
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大学合格は一つの目標ではありますが、全てではありません。集団生活の中から人間関係やモラル、リーダーシップを育み、子どもの自立を促しながら「将来どう生きるか」に目覚めさせることも、中学・高校時代の大事な目的ではないでしょうか。
今、いったん就職してもすぐに辞めてしまう若者が増えています。厚生労働省の調べによると、大卒の3割以上が就職後3年以内に離職するというデータが出ています。1年以内の離職率も15%にのぼっており、大学の就職部も頭を痛めているところです。就職活動も前倒し傾向にあり、大学3年生から企業研究や自己分析が始まりますから、大学に入学した時点で、職業観が養われていなければなりません。私立中高が6カ年一貫でキャリア教育を重視しているのには、こうした背景があるのです。 |
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| ■在職期間別離職率の推移(大学卒業者) |
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| (厚生労働省 新規学校卒業就職者の就職離職状況調査) |
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「最近は、難関といわれる私立中高でも、子ども達のモチベーションやモラルを引き上げることに懸命になっています」と話すのは森上氏です。
大学合格を目標にした勉強に終始するだけでは、先ほど見たように大学で学ぶ目的が見えず、就職しても早期離職してしまったり、ニートやフリーターになってしまう可能性もあります。現代の子どもは、保護者世代に比べて自立が遅い傾向にあります。「女子はコツコツ努力する特性を持つ子が多く、お母さんというロールモデル(※)もあり、大学入試までの6年間を頑張れます。心配なのは男子です。父親というのはロールモデルになりにくく、本人のモチベーションが女子に比べて弱いのです。そうした子ども達を突き放して鍛えようとしても、なかなか力はつきません。むしろ学習面でも生活面でもていねいに指導して、やる気を引き出していく、“手塩にかける”教育が、メインになりつつあります」(森上氏) |
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さらに、森上氏は「今の教育は子どもに全能感を与える、甘い評価になっている」とも言います。確かに学校でも家庭でも、昔と比べて子ども達を「よくできたね」「頑張ったね」と、ほめて育てる教育が主流になってきています。そのことが逆に、本当の評価、時には厳しい評価に耐えられない子どもをつくり出してしまう矛盾もはらんでいるのです。少しのことではへこたれない大人になるためには、教育をすべて学校に任せるのではなく、家庭でも子どもの教育について話し合い、時にはまったく異なる価値観に出会わせることも、保護者の大切な役割ではないでしょうか。
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| 最近多くなってきているのが、高校と大学が連携して教育を行おうという動きです。大学教員を高校に招いて講義をする「出張講義」や、高校生が大学生と同じ内容の講義を受けられる「公開講座」などの取り組みを通して、向学心をアップさせようというのです。最近では高校と大学が授業を共同で作り上げる研究もあり、付属校に「大学入試がない」という以上のメリットが出てきたのです。では付属校ならどこでも有利なのでしょうか。「進学した大学でお子さんがキャリアディベロップメント(※)や能力開発ができるかどうかが付属校選択の鍵になるでしょう。一方で、併設大学からの大学院への推薦者に枠を設けて、何割かは外部の学卒者も入れるように、という政府の議論もありますから、その流れによっても付属校、提携校が有利かどうかは変わってくる可能性があります」(森上氏) |
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7年後、10年後の大学状況がどう変わるにしても、それに柔軟に対応できる情報力や機動力のある中高6年間の教育に注目すべきでしょう。
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キャリアディベロップメント
会社などのビジネス上のニーズと個人の目標を合致させることで、卓越した経営や、個人の成長が最高レベルで実現できるプロセス |
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